少女の祈りIII

少女の祈りIII
 
 
最初に死のうとしたのは 女 (14)になった年の10月
病院で目覚め 生きてる事になぜかホッとした
でもね 私ってバカだからさ わかんないんだ
命の重さとか生きる意味 ママもアイツも大嫌い
夜が好き 汚れを隠してくれる
自暴自棄 売るから買ってよ
汚れた 私を早く隠して 夜になれ
ひび割れた声で 涙 涙 涙
情けないくらいに涙が止まらない
まだこの胸が痛いから
カミソリを探した
最後の彼はイカしてたけど 少しイカれた奴で
狂ったみたいに嫉妬して暴れて また浮気して
乱暴でも別れるたび 愛されてる気がしたんだ
なのに子供ができた途端 ママみたいに逃げて行った
笑えるでしょう? また一人ぼっちね
愛とか やっぱり大嫌い
なんて嘘 ごめんもう強がれない
泣いていい?
ひび割れた声で 涙 涙 涙
傷に沁みるだけの涙なんかいらない
すべてすべて枯れてしまえ
夜が手招いてる
流れた痛に かすかな悲鳴を上げ”生命”(いのち)に触れた
それは小さくて やけに温かくて
胸の十字架が夜を照らした
ひび割れた声で 涙 涙 涙
枯れたはずなのになぜ涙が止まらない
今このお腹が痛いけど
生きる意味見つけた
初めて流した喜びの涙
いま夜が終わる
 
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